35才の時、販売店の代表者ご夫妻のヨーロッパ招待旅行の責任者で同行しました。
一週間のヨーロッパ旅行だったのですが、自分の人生の中で一番気を使った一週間でした。
そもそも、あまり気がきく方ではありません。例えば、一緒に飲んでいて、空いたグラスにはまったく気がつかず、先に注がれてしまうタイプです。
そんな自分なので、一週間本当にヘロヘロになるまで、気を使いました。
ヨーロッパのレストランは日本と違って、料理が出てくるのがゆっくり。その苦情に対応するためにレストランと交渉をする。
トリノモーターショーに行ったのですが、急遽、モーターショーの説明資料をつくる。
ワガママな奥さまも中にはいらっしゃいましたが、一生懸命、丁寧に対応しました。
そして、最後にローマ空港に着いたバスで、代表者の奥さまとどっちが先に降りるか、ゆずりあいになってしまいました。その時、言われた言葉が、
「あんたって気が利かないわね〜 」
ショックでした。自分の人生で一番気を使った最後の日、しかも、ほんとに最後の瞬間に言われたんです。
営業として、お客様から気がきかないと言われたら、やっていけないと思いました。
落ち込みました。
で、どうすればいいのか、すごく考えました。そして、思いついたんです。
自分は気がきかないが、楽しくなることはできる。
自分が楽しい時、一緒にいる人も楽しいに違いない。だから、これから、自分は、その場が楽しくなるように頑張って、自分が楽しくなることで、おもてなししようと思いました。
ご一緒した方々に確かめたわけではないので、どれぐらいうまくいったかはわかりません。
空いてるグラスには相変わらず、気がつきませんでしたが、一緒にいる人には楽しんでもらえたような気がします。
目的は同じでも、達成する方法はいっぱいある。自分ができることで、どうやって達成するかを考える。
誰にでも必ず道はあると思います。
必ず何か学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt