キムライフ・キムライブ

もらったものは次の人に渡す。日常での気づき、過去のトヨタでの出会い・経験、大好きな本や音楽などからもらったものがどこかの誰かにわたり、もし役に立てればうれしいです。

「お前んとこの部下は詐欺師か!」経営のリアリティと厳しさを学ぶ

ネッツですべてのモデルを展示できる大型店舗をつくるトライアルを担当した時の話です。
 
当時のクルマの店舗は3モデルくらいしか展示できない店舗がほとんどでした。
 
販売方法が訪問から店舗へと移りはじめていた頃だったので、メーカーから運営コストを一定期間サポートすることで、全国8カ所に全モデルを展示できるトライアル店舗をつくるという企画でした。
 
最初の企画は、メーカーが店舗を建てて3年間半額で貸すことによって、運営コストをサポートするという仕組みでした。
 
たくさんの応募があって、立地の良さ、やる気などを基準に8カ所を選びました。
 
そして、メーカーからの賃料を提示した時、上司に販売店の代表者から電話がかかってきました。
 
「おまえのところの部下は詐欺師か!社長にだまされたって電話するぞ」
 

f:id:y314t923:20190121074548j:plain

 
驚きました。そして、ビビりました。社長に詐欺師って電話されたら大変だ。そう思いました。
 
元になるメーカーの賃料が高すぎて、半額にしても、市場の賃料とほとんど変わらないというのが、クレームの趣旨でした。
 
市場の賃料は相場で決めますが、当社の賃料はコストの積み上げでつくります。結果、メーカーからの賃料は市場に比べずいぶん高くなっていました。
 
困りました。賃料を下げてくれるように総務部に頼み込みましたが、何ともなりません。
 
あんまり悲壮感が漂っていたのでしょう。管財室長がこう言ってアイデアを教えてくれました。
 
「仕方ない。バカな管財室長が悪知恵を教えてやる。」
 
当時、土地活用を進めて、土地の価格低下を止めるため、定期借地権という新しい権利ができていました。定期借地権なら、メーカーのルールでも安い借地料にできると教えてくれたのです。
 
それで、販売店がメーカーから定期借地権で土地を借りて、店舗は自前で建てる。メーカーからは3年間店舗運営の一定額をサポートするという仕組みにかえました。
 
その結果、年間のサポート額が3百万円ほど増えました。すると、そのクレームを言ってきた代表者から電話がかかってきました。
 
「ありがとう!ほんとにありがとう」
 
店舗の投資や運営コストを考えると、3百万円はそんなに大きな額には感じられなかったので、これでもダメかもという気持ちでした。なのに、すごく感謝されて、驚き、そして思いました。
 
販売現場のひと、実際の経営にとって、3百万円は、資料の中の数字ではなくて、ほんとに一万円札が300枚重なったお札の束なんだなぁ〜と。
 
調べてみたら、3百万円は3センチ、300gでした。
 
必ず何か学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt