キムライフ・キムライブ

もらったものは次の人に渡す。日常での気づき、過去のトヨタでの出会い・経験、大好きな本や音楽などからもらったものがどこかの誰かにわたり、もし役に立てればうれしいです。

影響を受けた本「ものぐさ精神分析」岸田秀 著 世の中はぜんぶ幻。だったら何を信じればいい?

この本を読んだときは衝撃をうけました。
「世の中はみんな幻、人間の本能は壊れている」
ということが書いてある本だからです。
 
人間の本能は壊れていることをあらゆる現象にあてはめて証明していきます。
 
そもそも、人間は生まれた時は動物から見れば未熟児、胎児の状態で、親の力なしでは生きることができません。そして、生まれて10年以上経たないと子孫を残すための性行為ができるようになりません。
 
このような状況に追い込まれた人間は、生きるために、子孫を残すために幻想をつくり、その幻なくしては生きていけない生き物になりました。
 
以下、本から少し抜粋します。
 
***
 
子どもを育てるための親の負担の面だけを見ても 、人類は本能だけに頼っていたとすれば 、とっくの昔に滅びていた
 
現実のなかに放り出されれば死ぬほかはない子どもに 、親は 、つくられた人工的世界を提供せざるを得ない 。子どもの本能は 、まずはじめに 、現実ときりはなされた世界のなかで満足を知る 。
 
何とかごまかして人間の性欲を正常な性行為に向かわせるため 、人類はさまざまな文化やルールをあみ出した
 
人間の性は 、正常異常を問わず 、本能にではなくすべて幻想に支えられている 。
 
***
 
以上ですが、本にはエスだとか、リビドーだとか、快感原則など、精神分析の専門用語が多く出てきて、少し難しく感じるかもしれません。
 
でも、本能が壊れていると考えれば、性倒錯や、様々な不可解な事件も納得がいきます。
 
一年中発情期があって、裸を見たら興奮するのも、もしこれが本能だったら、動物は大変です。ずっと裸なんですから。
 
でも、さすがに、母性本能や国家まで幻想だと言われると何を信じればいいのか……すべてが幻想と断言されると、この本を初めて読んだ後は少し落ち込んでしまいました。
 
でも、よくよく考えてみると、そうした幻のなかで生きているとすれば、自分と同じ幻を共有できる人たちと夢を共有し、そのなかで自由に生きればいいじゃないかと思い、かえって気が楽になりました。
 
映画マトリックス最終作で主人公ネオがエージェントスミスに「世の中、みんな幻、愛も何もかも。それがわかっていながら何故そこまで戦うのか」と質問されたとき、
 
ネオは「それは俺が選んだからだ」と答えて戦います。
 
かっこいい〜と思ってしびれました。
自分が選んだこと、約束したことに責任をもって、自分や人にうそをつかないことが、幻の中で生きるためには一番大事なことだと思います。
 
そして、そんな生き方は、宗教、科学、国家や大企業など、みんなが信じられることが少なくなりつづける現代に必要な生き方のように思います。
 
IKKOさんのまぼろし〜ってギャグ。あのギャグがあんなに流行ったのも、そんなことが背景にあるのかもしれません。
 

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必ず何か学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt 

 

ものぐさ精神分析 (中公文庫)

ものぐさ精神分析 (中公文庫)