キムライフ・キムライブ

もらったものは次の人に渡す。日常での気づき、過去のトヨタでの出会い・経験、大好きな本や音楽などからもらったものがどこかの誰かにわたり、もし役に立てればうれしいです。

トヨタ流OJTの心構え「もらったものは次の人にわたす」OJTは恩返し

人材開発部で社員教育の仕事をしていた頃の社長は現在名誉会長の張さんでした。仕事柄、張さんに人材育成についていろいろお話を聞く機会をもてたことはラッキーだったと思います。
 
その時、聞いた言葉で印象に残る言葉、トヨタOJTの原点のような言葉があります。
 
「もらったものは次の人にわたす」
 

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張さんはトヨタ生産方式について厳しく、あたたかく教えてくれた上司にこう聞いたそうです。
 
「あなたにはいろんなことを学びました。恩返しがしたいので、何をしてほしいですか?」
 
上司の方はこう答えたそうです。
 
「もらったものを次の人にわたしてください。それが僕への恩返しです。」
 
いい言葉だなぁ〜と思いました。それ以来、張さんは恩返しのつもりで、人づくりに一生懸命取り組まれたそうです。ものづくりは人づくりと繰り返し言われていました。
 
そもそも、もらったものを返す。GIVE AND TAKEは人の行動に強い力を持っているそうです。
 
影響力の武器という本があります。
 
押し売りセールスにだまされる人など、人がなぜ理屈に合わない行動をとってしまうのか?を研究して、人が行動を起こしてしまう法則、力をまとめた本です。例えば、最近あおり運転のニュースがすごく増えていますが、なぜ突然増え出すのか?その理由も書いてあります。
 
その本の最初に出てくるのがGIVE AND TAKEの法則、返報性の原理です。人は誰かから何かを与えられたら、自分も同様に与えようとするという法則です。
 
その力はとても強いので、時には不公平になるGIVE AND TAKEがおきることもあります。
 
例えば、飲み屋さんがお中元を送ってきます。2000円くらいの靴下とか、QUOカードとか。そうすると、もらった人はお店に行かなきゃと思ってお店に行く。お勘定が10000円だとしたら、その人は2000円もらって10000円払ったことになります。ぜんぜん割りに合わない。でも、そうしてしまう。それほどGIVE AND TAKE の力は強いというわけです。
 
車の営業スタッフが、ある会社に毎日訪問して、会ってくれないので名刺だけ置いていくことを続けていたところ、訪問されていた人は名刺入れにその名刺をためていて、名刺入れがいっぱいになった時、ついに車を買ってくれたという話を聞いたことがあります。
 
これなんかも、もちろん誠意が伝わったということもあるでしょうが、一種のGIVE AND TAKE の法則の例だと思います。

 

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

 

 

また、構造主義という思想の中にもこの力は出てきます。社会には近親相姦のタブーがあります。その理由の一つがGIVE AND TAKEの法則だという説です。
 
家は近親相姦のタブーがあるので、娘を必ず他の家の男子に嫁がせることになります。すると、娘をもらった家は何かを返さずにはいられない。
 
だから、もらった家の人もまた、自分の娘を他の家に嫁がせることによって返したことにする。
 
そうやって、人間は生きていくために必要な社会を拡げることに成功したという説です。
 
もらったものを返すという力で、人は進化し、社会を成長させることができました。
 
会社で働く人が教えてもらったことを次の人に教える。この気持ちを育めば、その力は強い力になって、人の社会が成長したように、会社を成長させる強い力になると思います。
 
そんなOJTの心がまえと行動は、トヨタの大事な文化の一つだと思います。
 
そして、これが、キムライフの締めのフレーズの出どころ。キムライフを始めようと思った理由の一つでもあります。
 
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt