当時の採用チームはたいへん忙しくしてました。ネットからの応募になり、応募数がものすごく増えたからです。
新しいネットの仕組み、たくさんの採用応募で、みんなバタバタ。ミスもでます。チームのムードもあまり良くありませんでした。
一方で、採用活動は、無味乾燥な会社紹介をサイトにのせているだけ。その結果、応募してくる学生のタイプがかたよっていました。
改善で有名だったので、あなたの強みは?と聞くと、
愚直に頑張ることです。
コツコツ堅実なところですとか、そんな風に答える真面目なタイプの人ばかりでした。
そういう人材はもちろん必要なのですが、それだけでは困ります。変わる力をもった人も必要です。それで、もう少し会社のこと、価値観やいろんな部署の仕事、やりがいを発信して、もっといろんなタイプの人が応募してくれるようにしようと考えました。
ところが、当時、ぼくは室長だったのですが、担当のグループ長と意見が割れます。
グループ長は、忙しくミスも多いチームで、新しいことをやったら、もっとミスが増えて、大変なことになると言って反対しました。
そこで、彼に言いました。
川の流れで、ちょっとした淀みにはゴミがたまったりする。そのゴミを一つ一つ取り除く努力をしても、キリがない。
では、自然はどうやって川をきれいにするのか?それは、雨の日が続いたりして、川の流れが強くなったときに、一気にゴミを流して、キレイになるんだ。
だから、業務がうまくいかず、停滞気味の時こそ、新しいことにチャレンジして、強い流れをつくって、チームを整えよう。
すると彼は、こう答えました。
言われることはわかる。だけど、川の流れが強くなって、土手が崩れて洪水になることもあるから、チャレンジをやりながら、ぼくは土手をつくります。
うれしかったです。
結果、いろいろ苦労はあったと思いますが、新しいチャレンジは大成功、チームも元気になりました。
ちなみに、プリウスなどのハイブリッド車は、半分はモーターで走ります。電線の中を電気が流れるわけですが、その電線にも、川や人間の血管のようにゴミがたまるそうです。ゴミがたまると性能が悪くなったり、故障の原因になります。これを防ぐために、10000秒に1回、高圧の電流を流すそうです。
また、昔よく行っていた中国人の整体の先生は、東洋医学をこう説明してくれました。
内環境を整えることが大事。細胞の中には体液がある。その体液に排泄物がたまる。その排泄物に対し、直接対応する、取り除こうとするのが西洋医学。東洋医学は、血流など流れをスムーズに活発にすることで、排泄物を自力で流し浄化できるようにする。
昔からある自然も、最先端の技術も、人の体も、自らを整えるやり方は同じです。
落ち込んでいるときは、出すのが一番。
調子が悪いときは、元気な流れで、流れを整える。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt