キムライフ・キムライブ

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英語と日本語の違いからわかったこと その3 サンキューとありがとうの違いと日本語が難しいわけ

感謝の言葉、英語ではThank you、日本語ではありがとう。
 
この言葉の違いは、欧米人と日本人のものの考え方の本質的な違いを現していると思います。
 
それは、人を独立した個人と考えるか、人との関係があってはじめて人になると考えるかの違いです。
 

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Thank youとは主語の"I"が省略されていますが、要するに「私はあなたに感謝します」と言っています。
 
これに対し、ありがとうとは「有難い」、つまり、あなたと一緒にいた時間や経験は、そうそうあるものではなく、とても貴重なことだったよと言っています。
 
相手に感謝しているというよりはあなたと私の関係に感謝しているのです。
 
だから、感謝の言葉を強調したいとき、英語の場合はThank you very much、「とても感謝します」とか「大変感謝します」となりますが、
 
日本語では「とてもありがとう」と言うとちょっと不自然な感じがして、「本当にありがとう」という方がしっくりきます。
 
この日本語の相手との関係性に関する言葉は他にもいろいろあります。
 
別れの言葉だってそうです。
 
英語だとGood bye、Byeというのは近い将来、そばという意味なので、直訳すると「いい時間を」となる。だから週末になると、みんなByeとは言わず、Have a good weekend!よい週末をと言います。
 
これが日本語になると、「さようなら」「左様なら」つまり、「あなたがそうならば」と言って別れる。あなたと私との関係を清算しているわけです。
 
これは言葉だけでなく、表現方法の違いにも表れます。
 
日本語における主語の省略がそれです。英語では主語を省略することは許されません。しかし、日本語では主語はしばしば省略されます。
 
日本人は人が人とつながって人になると思っているので、会話の中で、「私は」という必要はない。むしろ「私は」といちいち言うのは不自然で、「私は」と言わなければいけないのは「私は違う」と言わなければいけない時に限られます。
 
このことは、チームワークの考え方の違いに現れます。
 
日本におけるチームワークといえば、全社一丸でしょう。みんなが自分をすてて、一つになり、全社一丸となります。
 
欧米のチームワークは違います。彼らもスポーツの団体競技などで、チームスピリットと言うじゃないかって言う人もいるかもしれません。
 
でも、欧米のチームはメンバー一人ひとりに役割が配分され、その役割を果たすことがチームワークであって、
 
日本人がイメージするような、みんなが一つになるという精神的なことではないと思います。人との関係のとらえ方が本質的に違うのです。
 
このことが如実に現れているもう一つの例が敬語と一人称です。
 
日本人は人は人とつながって人になると考えるので、その関係によって自分の呼び方が変わります。
 
この間、日本に1年間日本語の勉強のために、一旦仕事を離れて日本にホームステイしている外国人が久しぶりに遊びに来たことがありました。
 
片言ではあるものの、多少日本語を話せるようになっていましたが、何が一番難しいか聞いたところ、敬語が難しいと言っていました。
 
それもそのはず。欧米の人には、人との関係によって、物事のありようが変わる、関係によって自分が変わるということが理解できないのだと思います。
 
尊敬語、丁寧語、謙譲語と普通の表現の区別をつける関係性の違いが認識できないのかもしれません。
 
敬語と同じように関係性によって、表現が変わるのが一人称・二人称です。たまたまYOUTUBEで日本語教室を見つけたのですが、これが面白かった。一人称の使い分けについて、コミカルに日本語の上手な外人が解説するビデオでした。
 
英語では、自分を表す言葉は"I"だけです。これが日本語となるとすごい種類になります。僕、私、わたくし、自分、わし、おれ、実際に日本語には自分を表す言葉が32とおりもあるらしい。
 
これが二人称でも同じように、君、あなた、貴様、おまえ、とたくさんあります。
 
こうしたたくさんの種類は全て相手との関係、その場の状況によって使い分けられます。
 
こうしたことは、"I"しかない英語ではありえません。自分は常に自分なわけだから、その絶対的な自分を表す言語が状況によって変わるなどということは、考えられないに違いありません。
 
このような違いから、日本ではフェイスブックは流行しないと思っていました。フェイスブックでは、常に実名で、自分が変わることがないからです。
 
しかし、実際には、フェイスブックは日本でもすっかり浸透しました。これは、日本が欧米化してきたことの証しのようにも思います。
 
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt