仮説のない実験には意味がないという話を書きました。
それに関連して中国人のマッサージ屋さんから聞いた話を一つ。
実は、このマッサージ師の方は、中国人で、おじいさんは整体で人間国宝になった偉い方でした。
マッサージがたいへんうまかっただけでなく、この方のお話がとっても面白かったんです。
彼は、マッサージしながら、自分が勉強していることやチャレンジしていることを話してくれました。その彼がある日こんな質問をしました。
科学の限界は何だかわかりますか?
わからないので教えてくださいと頼むとこう教えてくれました。
科学は測定できることを基にして、仮説を立て、理論をつくる。だから、測れることしか考えられない。それが科学の限界。
例えば、今の医学では筋肉の状態、柔らかさ、しなやかさは測ることができない。だから、筋肉が原因の病気は治せない。
自分は、この指で筋肉の状態がわかる。だから、西洋医学で治せない病気を、ぼくはこの指で治すことができる。
なるほどなぁ〜
すごく感心しました。
何事も測れるようになること、見える化がないと、改善も進歩もないわけです。
そして、どうやって治すのか、その考え方も教えてくれました。
一言で言えば、流れを整えること。
筋肉を流れる血液や体液の流れを整えることによって、からだの治癒力をあげるのだそうです。
彼は、スポーツ選手の記録を向上させることにも挑戦していました。
当時、清原選手がトレーニングして、パワーアップのためにプロレスラーのようなカラダになっていましたが、それを彼はダメだと言ってました。
彼は力を入れる筋肉ばかり鍛えている。でも、人の体は、縮む筋肉と伸びる筋肉がある。片方だけを鍛えるのは間違い。バランスがくずれてケガをする。
清原選手はずっとケガに悩まされましたが、彼はそれを見抜いていたわけです。
まず、測ること、見える化しないと、何も始まらないというのは、問題解決でも同じ。
流れを整えるという考え方はマネジメントと同じ。
そして、目に見える方だけを頑張ってもダメで、目に見えないそれを支える方もしなやかに強くしないといけないというのは、なんだか社会に似ています。
人のカラダを極めると、人生の真髄にふれるなぁ〜。
現在、彼は上海に帰って、西洋医学と整体をミックスした治療院を経営しているそうです。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt