ムダな仕事という仕事はない。あるのはムダと仕事だけ。
これはトヨタの名誉会長、張さんがいわれていた言葉です。はじめて聞いたときは、
なんて厳しい言葉なんだろうって思いました。
なぜなら、会社にいるときはぜんぶ仕事で、なかにはムダじゃないか?って思う仕事もあります。それをこれは仕事だと思って、時にはガマンしてやっているわけですから。
でも、トヨタ生産方式でいうと、儲けにつながる動きが仕事で、そうでない動きはすべてムダです。
この考え方は、ほんとに徹底していて、たとえば、部品を組み付ける動きはクルマをつくっているから仕事。その部品を取りに行く動きはクルマをつくってる動きではないからムダということになります。
同じ働くなら、ムダをなくして世の中の役に立つ動きばかりにするのが理想。さっきの部品を取りに行く必要があるのなら、取りに行かなくていい場所に部品をおくようにする。そうやってムダをなくす。それが改善です。
ムダをなくせば、働いてる人は役に立っているという気持ちをたくさん感じることができるし、会社が儲かって給料あがるから幸せになる。
そう思うと、
ムダと仕事しかないという言葉はとてもあたたかい言葉
になります。
販売の世界でも、この考え方で大成功した企業はたくさんあります。セブンイレブンもその一つ。
以前も書いた死に筋管理です。
お客様がお店に来たとき、必ず何か手にとって買うものを棚に置く。そうでないもの、死に筋の商品はおかないという考えです。
お店に来たお客様にとって、ほしいものが見つからなければ、それはムダ。ムダをはぶくことで、お客様もうれしいし、お店も儲かる。みんな幸せになります。
今、やってることをムダと仕事に分けてみる。そして、ムダをはぶける知恵を絞る。仕事の毎日を幸せにする一つのやり方だと思います。
では、それを
車を販売する仕事にあてはめるとどうなるのか?
新車のスタッフは、販売するための顧客リストをつくります。
通常、スタッフは顧客を車検までの月数によってわけて、例えば、車検の半年前に、新車に代替するよう働きかけるわけです。
車検半年前の顧客だけでは数が少ないので、活動対象をもう少しひろげて活動するのですが、この効率が悪い。
そもそも、お客様は車検をキッカケに買い替える人ばかりではありません。
結婚したとか、子供が生まれたとか、大きくなったとか、引っ越ししたとか、お金が急に手に入ったとかいろんな理由で車を買います。
なのに、車検まであと何ヶ月残っているかだけで、活動内容とタイミングを決めている。
欲しいものが必ずあるコンビニの棚のように、スタッフの顧客リストが買い替える客がたくさんのっているリストになれば、スタッフの活動のムダはなくなります。
そうすれば、新車を販売しているスタッフは車を売りやすくなる。たくさんのお客様からありがとうって言ってもらえるようになる。
それが、その頃考えていた販売店に働く人たちをもっと幸せにする仕組みです。
その考えは今も間違っているとは思っていません。でも、実際に販売の現場を知るようになって、車を売るというのは仕組みがあれば売れるものではない。本当にむずかしいことを知ることになりました。
この続きは明日。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt