先行きがよくわからないときに、明確に将来を指し示すためには、決断が必要です。その決断について当時の役員がよく言っていた言葉です。
決断は55対45
どちらが正しいか、正しさはそれぞれの立場、考え方、時代、状況などによっても 変わる。だから、どちらが100%正しいなんてことはない。
だいたい55対45。しかも、ときには45の方を選ばなければいけないこともある。
今はこちらが正しくて、幸せになる人も多いが、10年後のことを考えると、今、幸せになる人が少ない方を選ばないといけないなんてこともあります。
僕はよくメンバーにこういう質問をします。
白と黒のグラデーションに一本線を引いて、どこからが白でどこからが黒か、2色に分けてみて。
そうすると、みんな考えだして、僕はここ、私はここね、なんて言ってバラバラな線が何本かひかれます。
そこで、僕はもう一度質問します。
君はここに線を引いてここからが白って言うけど、黒い点がまだ混ざってるのに、ほんとにここが白なの?
すると、だって木村さんが2色に分けろと言ったから、だいたいこれくらいと思って引いてんです。と答えます。
これもまた、決断は55対45の話です。決断とはすべてこういうことだと思います。
では、そんな時、どんな決断が正しいと言えるのか?あるいは、正しくなるのか?
それはつらぬくことです。
一旦決めたら、それをつらぬくことによって、決断は正しい決断になる
決めたことに責任を持って、後戻りや後悔はせず、前に進むこと。
特にリーダーとなると、その決断でたくさんの人が働くわけですから、ぶれるわけにはいきません。
でも、この決断は55対45。本来、白でないことも白ということにして、前に進むわけですから、必ず無理やひずみがたまります。
昔の公害や今の地球温暖化なんかはたまったひずみです。科学はある前提をおいて、理論をつくりますが、現実はきれいな前提どおりではありません。あるいは、副作用があるとわかっていても、効果の方を優先して、その理論を実行にうつす。
だから、副作用や前提違いで公害がおきたり、地球温暖化がおこるわけです。
そうしたら、こんどはそのひずみを治すためにどうするか考えて、ひずみを治していく。
結局、世の中って、そうやって進歩して、豊かになっていくんだと思います。
決断は55対45。たくさんの情報や意見を聞いて、グッと考えて、最後は責任をもって、これと決める。決めたら、つらぬく。つらぬいて、不具合が出たら、こんどはそれをつぶす。
そんな決断と行動をリードするリーダーがいて、リーダーを信じてがんばる人たちがいて、世の中が進歩し、また新しいリーダーがあらわれ、新しい社会をつくる。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt