キムライフ・キムライブ

もらったものは次の人に渡す。日常での気づき、過去のトヨタでの出会い・経験、大好きな本や音楽などからもらったものがどこかの誰かにわたり、もし役に立てればうれしいです。

我々は何を売っているのか?お客様は何を買っているのか?

我々が売っているもの、お客様が買っているものってなんだろう?
 
と言えば、トヨタならクルマでしょ、何をあたりまえな事をと思われる方がほとんどだと思います。ただ、この間、本を読んでいたら、いやいや、
 
人は情報を買っているのだと書いてありました。
 
例えば、高級腕時計などブランド品はわかりやすいのですが、ROLEXの時計、大変高いですが、あれをモノとして見たら、腕にせずに置いておくと止まるし、数年使っていると狂いだし、定期的なメンテナンスも必要だし、正確無比のクオーツ時計に比べれば、粗悪品といわざるを得ません。
 
そんな性能の悪い時計なのに、多くの人が憧れて、高級時計に高いお金を出して、買ってしまいます。
 
では、お客様は、何にお金を出しているのか?
 
それは、時計というモノの機能ではなくて、
 
世界最初の完全防水腕時計だとか、初めてのカレンダー付腕時計だとか、昔から続く大変高い技能の結晶だとか、細かい歯車の数々が精密ですばらしいとか、世界のセレブが愛用しているとか、再販価格が高いとか、
 
あげだすときりがないほどの理由、情報、
 
人はその情報に惚れて、お金を出しているわけです。
 
高級ブランドは長い歴史をもつものがほとんどですが、それは、長い時間の中で、たくさんの情報が発信されてきたからだと思います。
 
ところが、インターネットが拡がった今、たくさんの情報を発信するのに、長い時間は必要なくなりました。歴史がなくてもブランドをつくれる時代になりました。
 
クルマは走る、曲がる、止まるという基本性能・機能をもったもので、その機能を売っているとついつい思ってしまいますが、
 
クルマもまた、そんな機能だけをお客様は買っているわけではないでしょう。
 
たとえば、クラウンには、初代クラウンから今のクラウンに続く物語、情報がたくさんあります。約50台のクラウンがよみがえったのを見たとき、まさにそのことを感じることができました。また、
 
40才でクラウンを買われた方とたまたまお会いしたことがありました。
 
その方はクラウンを買って、まずやったことはお父さんに電話をしたことだそうです。
 

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その方のお父さんは学校の先生をされていたのですが、いつも宣伝を見たり街を走るクラウンを見て、いつかはクラウンを買いたいなぁと言われていたそうです。
 
だから、その方は自分がクラウンを買ったとき、自分もクラウンを買えるようになったということを、お父さんに伝えたくて電話をされました。なのに、お父さんの答えは「そうか」と言っただけ。そのぶっきらぼうな反応にちょっとガッカリしていると、お母さんからの電話で「お父さん、喜んでたわよ」。その方はそのことを聞いて、とてもうれしかったといいます。
 
その方には、その方の持つクラウンの物語、情報がある。それを買われた。
 
36年クラウンを乗り続け、動かなくなったクラウンを捨てられなかったあの渡邉さんにも、渡邉自身の物語、情報がクラウンにはやどっていた。
 
お客様は何を買っているのか?クルマって深いなぁと思います。
 
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt