競合ブランドのモデルや開発中の車に乗って学び議論をする味みがき試乗会という現地現物の取り組みがありました。
そこで、
あらためて驚かされたのは車というのは実に繊細で奥の深いモノなんだなぁ〜ということです。
例えば、窓枠とドアパネルの段差など車のいろんな段差や隙間をゴムやテープを使ってなくす。
その上で、空気の通り道となる穴や突起をつける。
乗ってみると、車の安定性が驚くほど変わっています。
まず、車がぐらつかないのでハンドルがしっかり決まってぶれない。曲がる時にハンドルを切っても一発で決まる。
それまで、車がハンドルがぐらつかず安定するのは、ハンドルや足回りの差だと思っていましたが、それが
ホームセンターで買ってきたゴムやガムテープでクルマがとても安定するようになる。
考えてみれば、時速60キロでも動物が走るより遥かに早い速度。そんな状態での空気の流れが与える影響は人の想像をはるかに超えているのでしょう。
他にも、
車のタイヤまわりのボデーの剛性をあげた車。
これもまた驚くほど変わります。車が重くなってないのに、しっかりどっしりした感じになります。
あるいは、オートマチックのギア選択のしかた。
普通、クルマは坂でよいしょよいしょとエンジンがのぼるつど音をたてます。でも、ドイツの高級ブランドのクルマはそうならない。
のぼり坂のカーブで速度がゆるむとオートマチックは速度にあわせて一旦エンジンの回転数がガクッと落ちます。だから、次に登る時またエンジンの回転数をグッとあげなきゃいけません。だからよいしょとエンジンが音を立てることになる。
それをのぼり坂のカーブでは、登りつづけてる途中なわけですこら、エンジンの回転数を下げないようにすると、とてもスムーズにのぼり坂のカーブを登ることができます。
先端技術ではなく、そんな細かな積みかさねで個性のあるいいクルマができる。それは驚きの連続で、車って本当に繊細で奥が深い製品だと思いました。
いろんな調味料を加えて味見をしながら味を整えていく料理のように、ほんの少しのことで車の味が変わる。
それと同時に、
人の生き方についても教えてもらった気がします。
クルマが空気の流れをととのえると安定するように、気持ちの流れが乱れないように、日常の生活をきちんと整えた上で気持ちを抜ける時間や機会をつくると気持ちが安定する。
クルマのボデーを固くすることが性能にとって大切なように、足腰体幹の強さが人の運動にとても大切。
坂道のギア選択のように、次にやることを予想して、いまが楽でも気を抜かず、ちゃんと次にやることに備えて力を入れておくこと。
人が生きていくうえで大切なことです。
細部にまでこだわって、みがきつづけられたクルマは人の生き方のヒントまで教えてくれます。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt