苦労して、提携するブランド、メーカーを見つけることができて、いよいよ事業を立ち上げることができました。
ミッドランドスクエアビルの二階で記者発表してスタート。
ただ、売上は思うようにあがりませんでした。
販売店でカー用品通販をオススメしてもらって、通販会員を増やし売上をあげる計画だったのですが、
販売店のスタッフが思ったようにはすすめてはくれなかったことが主な要因でした。
メーカーが直接お客様にモノを売るということは原則しません。メーカーは商品をつくる。販売店が売るというのが基本的な役割分担。
だから、たとえ通販でも直接売るわけにはいかないと思いました。このことをクリアするために考えたのが、
既存事業とのおりあいをつけるための苦肉の策でした。
でも、何しろ会員になるのはタダ。会員価格というメリットもある。販売店スタッフがお客様にすすめてくれれば、新車販売客の7割くらいは会員化できるのではないか?
そう考えると、この苦肉の策もなかなかの妙案、いい案だと思いました。
それが実際スタートしてみると、販売店スタッフはあまりネット通販をすすめてはくれなかったというわけです。
販売スタッフには新車販売だけで色々やらなければいけないこと、お客様に説明しなければいけないことがたくさんあります。くわえて、割賦、保険も売らなければいけない。
スタッフにはとても、カー用品通販をオススメするだけの余裕も大きな理由もありませんでした。
新車販売客の7割くらいは会員化できるという想定はまったくの絵に描いた餅に終わりました。
もし、これがベンチャーが始めた事業だったら、とった行動とスピードはまるで違うのものだったに違いありません。
新事業や新しい取り組みで必ずせまられる既存の事業、取り組みとの折り合いをどうつけるかの決断。
とった決断は、販売店の反対をさけて、その中で最大限努力するという選択。
その後も会員数は伸び悩みが続きました。これもこの事業の運命の分かれ道。
今は思います。先人たちは一時的に反対されることでも、中長期的にはお互いに正しいと思えることに勇気を持ってチャレンジしていました。二番目のチャネル、トヨペット店をトヨタ店とはちがう資本家にあえてお願いしたことなどは、まさにそういうことだったのではないかと思います。
とるべき選択はいつも、迷ったらいばらの道を進め。
必ず学べることはある。
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt