カー用品通販事業が終わった理由をどんな選択をしたかという観点でふりかえってきました。
ふりかえってみて、もう一つ5年で終わってしまった理由にきづきました。それは選択すらしなかったこと。
やるべきなのにやらなかったこと。それは現場をしっかり見て、知って、現場のリアリティから考える
ということです。
統計データにあった用品市場に、トヨタのシェアは40%だから、その4割をかけて、少なくともその半分とれる。そう思いこんでしまったわけです。
でも、現場に行ってみれば、カー用品店はそもそもタイヤやオイル交換が主力商品であること。来てるお客様の多くは軽ユーザーや中古車ユーザーであることはすぐわかる。
それをせずに、統計を頼りに数字だけで計画をたててしまった。
販売店でおすすめしてもらうという販売方法もそうです。お客様がよろこぶかもしれないことは販売スタッフがすすんで売るものだと考えていました。
実際に販売スタッフが商談する過程を現場に出てじっと見るということはしなかった。
販売スタッフにモノを売るときの動機は何か?日頃、店長とスタッフがどんな会話をしているのか?それを現場でじっくり聞くこともしなかった。
新車の商談や日頃のCR活動だけでどれだけ忙しいか?割賦や保険、メンテナンスパックなど他の推販商品がどれだけあるか?諸手続きの説明を含めてどれだけ現状時間がかかっているか?
行って見て聞けば、販売スタッフの方がその全体の流れの中でカー用品通販のことをどれくらいどんなふうにお客様に話すことになるか、おおよそわかったと思います。
でもぜんぶ、今までの新車販売促進での経験、常識にもとづいて、調査とデータだけで考えてしまった。
さらに、仮におすすめされたお客様が通販の会員登録をするとき、どんな気持ちになるか?どんなことで登録をやめてしまうのか?
お客様は競争相手がたくさんいるネット通販で、ちょっとでも面倒だと思われることがあったら、登録をやめてしまい競争相手のサイトにいってしまいます。便利になった分、5秒10秒の入力のわずらわしさで使うことが嫌になってしまいます。
それをお客様を見て、きちんと考え抜いて登録ステップを考えることはやりきれてなかった。
つまり、どんなお客様が、どんなふうに、どこで用品を買っているのか?販売スタッフはお客様に何をどんなふうに売っているのか?
そのモノが売れる瞬間のリアリティをもつことなく事業を企画してしまった。
どんなにいいものをつくっても、売れなかったら事業は失敗します。ベンチャー企業の方は必ずまず現場に行きます。それをしなかった。
売れる瞬間のリアリティ。これがないと、事業はうまくいかない。
そう思います。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt