キムライフ・キムライブ

もらったものは次の人に渡す。日常での気づき、過去のトヨタでの出会い・経験、大好きな本や音楽などからもらったものがどこかの誰かにわたり、もし役に立てればうれしいです。

見つけた現場のリアリティ その3 真っ黒な手をしたエンジニアおじいさんの笑顔

お取引先にもう70才をこえる現役サービスエンジニアのおじいさんが経営する結構大きな整備工場があります。
 
10代から自動車整備をやっておられるので、整備工一筋50年以上。
 
今は2人の息子さんと何人かのエンジニアを雇って、大きな整備工場を経営されています。
 
お会いしたおじいさんはとっても元気。おじゃましたときは、お約束をしていたのですが、おられません。工場のどこかに行ってどこにいるかわからないとのこと。事務をされている奥様によれば、何か思いつくとじっとしてることができずにすぐどこかに行ってしまうそうです。
 
そんなおじいさんが帰りがけに登場。
 
おじいさんはニコニコして、よごれたつなぎを着て、手は真っ黒でした。
 

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サービスエンジニアの手はオイルで黒くよごれます。販売店のエンジニアの手も汚れていますが、
 
おじいさんみたいに手が真っ黒になってるサービスエンジニアは初めて見ました。
 
とにかくお客様のために労をいとわずクルマを整備する。
 
昔は2万キロでエンジンがダメになった。それをバラしてなおしていた。
 
初代クラウンのタクシーは、とにかく総点検。車検で新品同様にピカピカにしてたから、車検には3日かかった。
 
外でクルマがとまったから、なんとかしてくれと言われれば、どこへでもなおしに行った。
 
若いときは、朝の4時から夜の12時までクルマを整備してた。
 
日本のクルマの歴史とともに、クルマを整備し続けてきたおじいさん。大きな工場はおじいさんのほこりです。
 
この方もまたリーダーズの一人だなと思いました。
 
今は、大型車両やゴミ収集車やバキュームカーなどの特装車が整備の中心です。
 

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大型車両、特に特装車を短時間で整備してくれる工場はなかなかないそうです。専用のリフトや器具がいることはもちろん、特装車の部品の入手に時間がかかるからです。
 
その整備工場では、たとえばゴミを圧縮積載する油圧ポンプに使うゴムホースを、取り寄せに時間がかかるようであれば、ホームセンターでゴムホースを買ってきて、自分で切って使うそうです。
 
他のクルマの整備に使えるかもしれないということで、取り外した部品も捨てずに残しています。
 

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それぐらいのことをしてでも、お預かりしたクルマはできるだけ早く、正確に、お値打ちに整備する。
 
おじいさんが若いときから変わらず、このシンプルなことをやり続けて、今もお客さんがいっぱい。地元だけでなく岐阜や三重からも整備の依頼があるそうです。
 
そのおじいさん、もちろん大のクルマ好き。
 
倉庫には石原裕次郎石原プロが使っていたマイクロバスや、ロータスセブンがありました。
 

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そんなふうに、お客様に頼りにされ、笑顔で手を真っ黒にして働くおじいさんがいる。
 
これも見つけたすそ野がとっても広い自動車産業の現場のリアリティ。
 
ほんとにおじいさんの笑顔が素敵でした。
 
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt