整備工場をまわると自分の敷地で、家族で経営している整備工場が結構あります。
そこは、販売店みたいに、きれいな工場で標準作業にもとづいて、45分で車検をやる。そんな高効率な工場ではありません。
工場によっては、結構年をとった整備工のおじさんがゆっくりと整備しているように見えます。
4Sもあまりできていない。事務所も工場の一角に雑然とある。
なぜ、小さな整備工場はつぶれないのか?ここからは、かってな想像ですが、
整備スピードが遅くて効率悪いから、整備できるクルマの数が少なくなる。品質だって安定しない。競争に負けるのではないか?
でも、現実はちがう。つぶれない。
人生の勝算という本があります。
シャッター商店街になっても、最後までつぶれずに残る商売がある。それは何か?
それは、おばちゃんママが一人でやっているスナックなんだそうです。
それはなぜか?
そのお店は一階がお店、二階がおばちゃんママの自宅。だから、
お店の家賃がゼロ。
そして、スナックで出すものといえば、おかきとか豆といった乾きもの。調理の必要はありません。保存がきくから、捨てることもない。
乾きもののスナックだして水割りつくって、一人3000円。
お客さんが常連でつけば、収入は安定。おばちゃん一人が暮らしていく程度の収入はできます。
さらに、そういうお店で流行る条件があるそうです。それはママが少しだらしないこと。
閉店時間の頃になると、一緒にお酒に酔ってベロベロ。そんな
ママを手伝ってあげるのが常連さんにとってはとてもうれしいんだそうです。
そんなふうにしてずっとつぶれないお店ってあって、そういうお店が地域の人の集いの場所になっているわけです。
自宅家族経営の整備工場もこれとよく似ているのではないか?
自宅兼工場で、なじみのお客さんのクルマを丁寧に安くで整備する。なじみのお客さんからは感謝される。
そうやってすごく儲かるわけではないけれど、安定したビジネスをして、贅沢ではないけど、すごく貧しくもない、いい暮らしをしている。
そんなふうにして、クルマ社会はささえられている。
むかしに書いた行列のできる小さくて、ちょっときたない中華料理屋さんにも少し似ているなと思います。
これが見つけた現場のリアリティ。
世の中は、いろんな人がいろんな仕方でいろんな人の役に立ち、社会をかたちづくっているんだろうと思います。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt