あるべき姿は目に浮かべるくらい具体的、絵にかけるくらいでないといけません。
実は具体的にすればするほど、あるべき姿はシンプルになっていきます。
物事の真理というのは、とてもシンプルです。考えぬくうちにシンプルになってくれば、考えている方向がまちがってないと思うようにしています。
例えば、物理の法則。e=MC2乗。エネルギーは物体の重さに光の速度の2乗をかけたものに等しいという法則です。原子力のもとになりました。文系の人にはなんのことが正直わかりませんが、ただ、エネルギーがそんなシンプルな式であらわすことができることに感動をおぼえます。
だから、自分がいいなと思うあるべき姿も具体的でシンプルなものです。
必ずしも、その人や各社があるべき姿を公表しているわけではないので、自分の想像もありますが、
トヨタ: 日本人の手で国産乗用車をつくり、クルマを通じて豊かな社会をつくる。
無印良品:わけあって安い、「これがいい」ではなく、自信をもって「これでいい」を提供し、感じの良い暮らしをつくる
暮らしという言葉のなかに、生活をおくるひとたちの場所、日常、暮らしの喜怒哀楽が目に浮かぶような気がします。
ほぼ日:夢に手足を
いかにも糸井重里さんらしいすばらしいコピーです。生活する人たちの日常にちいさな夢をふやすことで、しあわせな生活をつくる。そんなほぼ日の活動がとてもよくあらわされていると思います。
どこよりも値段以上の価値のある家具を提供して、生活する人を豊かにするということがとてもわかりやすくあらわされていると思います。
いま、世界でもっとも力があるGAFAのあるべき姿はさすがにすばらしい。
グーグル:ワンクリックで世界の情報へアクセス可能にする
アマゾン:オンライン上であらゆるものを発見し、購入できる場をつくる。地球上でもっとも豊富な品揃え。もっともお客様を大切にする。
フェイスブック:よりオープンにつながれた世界をつくり、シェアすることで、人々に力を与えること
アップル:普通の人々の手にコンピューターを
どのあるべき姿も、とても具体的にシンプルに、それぞれの企業が、誰になにを提供して、どんな社会や人のしあわせをつくりたいのかがとてもよくわかるあるべき姿だと思います。
そして、どのあるべき姿にもすごく思いというか、魂がこもっている。ゆるぎない信念を感じます。そのゆるぎない信念は、その姿に少しでも近づこうという気持ちをたくさんの人に起こさせる。だから、そういうあるべき姿を持った企業は強い。そう思います。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt