取り組む問題がきまったら、その問題がおきているプロセスをみて、さかのぼり、問題の発生現場をおさえます。
工場であれば、検査ラインでクルマのドアに傷がみつかったとします。すると、製造ラインのどこで傷がついてのか、ラインの最終地点から順番にさかのぼっていきます。
傷がついていないところまで、さかのぼったら、その次の工程で傷はついたことになります。傷の発生現場がわかります。
そうすると、その場所で、どうやって傷がつくのか、ずーっと見るわけです。
2分に一台車が流れてくるとしたら、一日8時間として320台クルマが流れてきます。
一週間ずっとみてれば、1500台をみるわけで、キズがつく場面を目撃することができます。
たとえば、工場で働いている人のベルトのバックルがドアにすれて傷がついたところを目撃する。そうしたら、なぜ作業員は金属製のバックルのついたベルトをしていたのか?と原因を考えることになります。
有名な「なぜなぜ」はすぐにするのではなく、「どこどこ」で問題が発生する現場をおさえてから、なぜ現場でそんなことが起きるのかを考えるためにするのです。
工場の場合は、ラインを実際に目で見ることができるので、このようなやり方ができますが、目に見えないときはどうするのか?
まず、どんなプロセスなのか、そのプロセスを想像してあきらかにしなければなりません。
たとえば、クルマの販売のケース
あるべき姿は「地域で一番の販売シェア。一番お客様に喜ばれるお店」と決めたとして、
まず、どのクルマ、どんなお客様で負けているのか?を層別して、ターゲットを選びます。
車種をカローラ、お客様を30代ファミリーのシェアを一番にすると決めたら、30代ファミリーの奥さまが
クルマを買いたいと思って行動をおこすまでのプロセスをあきらかにします。
お客様の心のプロセスは
新しいカローラが発売されたことを気づく。
新しいカローラに関心をもって調べる。
実際に見たり乗ったりしたいと思う。
検討してほしいなという気持ちになる。
最後に決断して買う。
これに対して、販売活動のプロセスは
新しいカローラがでたことを告知する
関心が持てるよう情報を発信する
実際に見たりのったりできるように試乗車を用意したり、イベントを開いたりする
商談をして、欲しいという気にさせる
販売条件など商談のツメをして、決断してもらう。
ということになります。
このようにプロセスを明確にしたら、工場のラインをさかのぼるみたいに、お客様の気持ちが購買にむけて変化しているのかをチェックします。
もし、そもそも気づいていないということになれば、なぜ気づかないかを考えて、手をうたないといけません。気づいてもいないのに、値引きや試乗キャンペーンをしても、効果はありません。
そして、ターゲットを30代ファミリーにしぼることて、この後の対策は大きく変わります。たとえば、30代はネットで情報を集めますが、60代のシニアはネットは見ません。
車がなぜ売れないのかを考えるのではなく、仮にお客様が新しく発売された車に気づかないのなら、なぜ気づかないかを考える。
このように
問題を層別して、ターゲットを明確にし、プロセスをさかのぼり、問題の発生箇所をつぶすというダンドリをふむことで、打ち手は的確になります。
逆にこのステップをふまずに、原因を考えて何かをしても効率がわるい。かりにうまくいかなかったとき、理由がわからないので、次の手もむずかしくなります。
問題を層別して、プロセスをさかのぼって、問題点、問題の発生現場をつきとめる。
まさに、事件は現場で起こっている。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt