ここまで、問題解決のステップ1と2について書いてきました。
自分のうまくいった仕事を流れにそってふりかえると、問題解決の理解が深まります。
ふりかえってみると意識していなくても、うまくいった仕事というのは、問題解決のステップをしっかりふんでいることに気づくと思います。
僕の場合は、オート店をネッツ店にかえた仕事をふりかえることで、問題解決が腹落ちし、そのあといろんな自分の仕事をふりかえったり、経験をつむなかで理解がふかまっていきました。
1990年代、ホンダがプレリュード、シビック、オデッセイとヒット車を連発。若い世代を中心にシェアをどんどんのばしていました。
そうした新型車の販売チャネルとしてその白羽の矢があたったのがオート店という名の販売チャネルでした。
オート店は、昭和45年、急速に拡大する自動車市場に対応して、カローラに続く小型大衆車として投入したスプリンターを販売するチャネルとしてスタートしました。
エントリーチャネルとして、トヨタではなくホンダを買う若者が増えた流れをくいとめるというミッションがオート店に課せられたわけです。
新しいオート店のあるべき姿は、
若者たちが欲しいと思う車を販売する魅力あふれるお店となって、若いトヨタファンをふやすお店。
当時のスターレットもスプリンターもお客様の平均年齢は50代。そのギャップはとても大きいものでした。
その大きなギャップをつぶすため、何に取り組むのか?
若い人といっても、男もいれば女もいる。若いといっても20代から30代といろんな年齢の人がいる。
いろんな意見はありましたが、新しく投入される基軸車種ヴィッツ。
その主なお客様となる20代から30前後の独身女性にターゲットをしぼろうということになりました。
そして、ターゲットとなった若い独身女性のクルマの購買プロセスをしらべました。
当時のオート店の主な売り方は訪問販売。一方、若い女性のクルマの買い方は店舗で買うという買い方でした。
当時のオート店の店舗はとても入りにくい。店舗で買う若い女性が、そもそも店舗にこない。
これでは、どんなにいいクルマを販売しても、思うように売れません。
新しいオート店の問題点は、若い女性が入ることができる店舗がないということでした。
だから、そのお店を一新しようということで、ネッツ店が生まれることになります。
まさしく具体的なあるべき姿をつくり、現状とのギャップを明確にし、その問題を層別して、取り組むターゲットを決め、そのターゲットの購買プロセスをさかのぼるというステップをふんで、ネッツ店の立ち上げは企画されたわけです。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt