問題解決の話をずっとかいてきました。営業のキャリアが中心の自分がトヨタ生産方式がベースになっている問題解決が腹落ちしたのは、
すべてのものはつくられている
と思うようになったからです。
たとえば、営業は何をつくっているのか?
クルマを売る営業は売り上げをつくっているのではありません。
売上は何かをつくった結果、いただいたお金です。お金をつくるのは造幣局だけです。
では、なにをつくってお金をいただいているのか?
それはお客様の気持ちです。
買いたいという気持ち、そして、買ってうれしいという気持ちをつくっている。
その気持ちの感謝のしるしとして、代金をいただいている。
そう思ったとき、営業は人の気持ちをつくるのが仕事だ。
そう思いました。
そのことがいったんわかったら、営業の仕事が今までとはまったく違うように見えるようになりました。
営業の仕事には工場のように目に見えるラインはありませんが、お客様が架空のラインをうごいていて、そのお客様に的確な働きかけをすることで、少しずつお客様の気持ちができていく。そうして、すべての働きかけが終わったとき、お客様の買いたいという気持ち、買ってうれしいという気持ちができあがる。
そう思うと、営業の仕事もクルマの工場と同じです。
そのプロセスを改善し続けるものが高い販売力を身に付けることができる。
たとえば、コンビニエンスストアやアマゾンは小売業でありながら、まさにこのことをやりつづけていると思います。
コンビニエンスストアなら、お客様が用事をすますために、コンビニを思い出して、近くのコンビニに入って、棚をながめて、買う気になって、商品を手にとり、レジに持っていく。
このプロセスをいかに改善するかを一貫してやっている。
すませる用事を増やす。コンビニの場所がわかりやすくする看板の工夫、入りやすい駐車場と店舗のレイアウト、棚に並べる商品のレイアウト、並べる商品、こうしたプロセスをささえる一連のコンビニの取り組みを、より機会損失というムダがないように、死に筋を管理する。より売り上げが上がるように、高い付加価値の商品を提案する。
アマゾンも、ネットで商品を買いたいという気持ちになるように、品揃え、ワンクリックという操作性、レコメンド機能、プライムサービス、数々の工夫を重ねて、お客様のネットで買い物をするプロセスをより楽しく便利なものに改善し続けている。
ものづくりは工場だけのものではありません。
僕は、もともとものをつくるのが好きです。つくっていたものは音楽ですが、つくった音楽で人の笑顔をつくるのが好きでした。
今は、仕事で自分の周りの人たちを笑顔にしたいと思って働いています。
笑顔をつくるのが僕の仕事だと思っています。そうなると、自分の仕事はすべて問題解決になります。
自分が何をつくりたいかがはっきりしたとき、問題解決は力強い味方になります。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt