三つ目のモチベーションの素。それは安心感です。
勇気をもってすすめば、仲間ができる。仲間は安心感をつくる。安心感は勇気をもってさらに前に進むときの迷いを消してくれます。
安心感は、マズローの3つ目の欲求、帰属欲求が求めるものです。
最高の安心感は生きてるだけでいいと思ってくれる人がいること。
それは、家族や恋人や無二の親友。世界中の人が恋人や家族をもとうとするのは、いきているだけでいいと思ってくれる人が必要だから。
先月、がんで自宅療養を続けていた母親が亡くなりました。自分は一緒に住んでなかったのでほとんど何もしてあげられなかったのですが、一緒に暮らしていた父と妹は、本当に身を粉にして介護していました。まさしく母親がいきてくれているだけでいいという気持ちだったのだと思います。
ただ、仕事の場合、生きてるだけでいいというわけにはいきません。会社に出勤しているだけでいいよとは誰も言いません。
仕事での安心感は、仲間からダメだと思われていないと感じること。必要だと思われていると信じれること。じぶんが言ったりやったりすることが正しいと疑いを持たずにいられること。
そういう気持ちをどうやってつくるのか?
そのために必要なのは言葉だろうか?もちろん言葉も大事です。でも、今まで書いてきたように言葉だけではたらない。同じ言葉でも愛情を感じることも傷つくこともある。
人は自分が必要とされているという安心感がくずれる時、相手のまなざしを感じるようになる。
人を最も不安にさせるのは、笑っているのに目が笑ってない顔だと聞いたこともあります。
メンバーと接するとき、ちゃんと相手のことを大切に思って常に見られるかどうか。
常にというのは本当にむずかしい。機嫌が悪いとき、自分自身が一杯一杯なとき、そんな時は相手より自分に意識が向いてしまいます。
自分に意識が向いていると、相手のことを見ることはできません。
たとえば、自分自身が上司からひどくおこられた直後に、メンバーがきたときに、そんな風に相手を見る余裕があるか?ちなみに、はずかしながら、自分は若い頃、自分が怒られないようにメンバーを怒っていたり、月曜の朝いやいや会社に出た時はすごく機嫌が悪かったり、まったくダメなマネジャーでした。
では、どうやったら、常に相手をちゃんと見ることができるようになるのか?
マザーテレサではあるまいし、普通の人はよほどの人格者でなければ、それは無理だと思います。
自分の場合は、役割を演じること、役割スイッチを入れることで、常にとまではいきませんが、だいぶできるようになったと思っています。
その役割をえんじることができるようになるために、その役のおきまりのセリフとして、とにかく最後にありがとうと言うことにしました。そのセリフを繰り返すうちに、言葉に心がこもる、まなざしも変わり、相手の気持ち、相手のまなざしにも気づけるようになったように思います。
そして、自分が言ったり、やったりすることが正しいと安心してのびのび働けるようにするために必要なこと。それは
これから何をしたらいいのか、その方向性を明確に示し、一貫させること。
今まで、不安でつぶれそうになる人をたくさん見てきました。何をしてもおこられるかもしれないという気持ちになった人は、考えることもできなくなります。上司が気分でメンバーをおこったり、同じことをほめたり、おこったりすると、もうメンバーはどうしたらいいかわからなくなって、おびえるようになります。
他にも、安心感をつくるために必要なことはいろいろあります。小さな声かけ、距離感、弱さを見せる、などなど。
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必ず学べることはある
学んだことは次に人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt