モチベーションのことを書いてきて思ったこと。
それは世の中が変わるときって、すべてのモチベーションが総動員されているということ。
担当していた自分としては、それが残念で、世の中の革命のことを調べました。どうやったら世の中は変わるのだろう?
みんながめざす夢があることと、その夢に向かって今やることがハッキリしてること。この二つがそろえば、世の中は変わる、そのときはそう思いました。
でも、今回モチベーションのことを書いてきて、そのことだけで動く人だけでは世の中は変わらない。実際に人が動く理由は、もっといろいろあるし、人によってちがう。
そう思うようになりました。
もちろん、社会を良くしたいという高い志で動く人は、世の中が変わる流れのど真ん中にいるでしょう。
でも、危機感でこわくて動く人もいる。
仲間はずれになりたくない。みんなと同じことをして安心したいと思ってがんばる人もいる。
プライドをかけてがんばる人もいる。嫉妬で動く人もいる。
単に、あばれるのが楽しくて動く人もいる。
世の中を動かすことになる群集には、そんないろんな動機の人がいる。
実際、公民権運動に参加した黒人たちのなかにもいろんな動機の人がいたようです。習慣の力という本にその頃の群衆のひろがり方が書いてありました。
- 作者: チャールズデュヒッグ,Charles Duhigg,渡会圭子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2019/07/04
- メディア: 文庫
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まずバスボイコット運動のキッカケになったおばあちゃんはお友達がたくさんおばあちゃんでした。運動の最初の動機は、友達を助けたいという動機だった。
ロ ーザ ・パ ークス(おばあちゃんの名前)は 、彼女の属するコミュニティにしっかりと根づき 、敬愛される存在だった 。そのため彼女が逮捕されたとき 、それが社会的習慣──友情という習慣──を生じさせるきっかけとなり 、最初の抗議運動に火がついた 。友人たちが反応したのだ 。
次に人を動かしたのは、黒人コミュニティに属する弱いつながりの人たちの自分たちに課している一種の義務感でした。
地域住民としての義務感を無視したり 、コミュニティの期待を軽視したりすると 、社会的な立場を失う恐れがある 。
そう思って仲間はずれになるのがこわくて運動に参加したわけです。
そこにキング牧師というリーダーがあらわれます。
キングがモンゴメリ ーの黒人市民たちに 、新たな帰属意識を与え 、闘争のやり方を変えたとき 、抗議は運動となり 、実際に行動する人々によって盛り上がった 。彼らはこの歴史的な出来事に自ら関わっているという 、意識と責任を持つようになっていたからだ。
キング牧師がしたことは群衆に対する志、夢を見せたこと、実現するやり方をしめして、勇気を与えたこと。
歴史を読むと、まず英雄があらわれ、その言葉にしたがう人がひろがっていくと思いますが、実際はちがう。
さまざまな人たちのさまざまな動機が運動をつくり、英雄がそれを一つの力にかえ、世の中をかえていく。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt