働き方改革で労働時間を短くすることが議論されています。 ITをつかって働き方をかえるんだとか、ワークライフバランスを考えるんだとか、いろいろな意見があるようです。
実際、大企業で時間管理や年休取得はかなり進んでいる一方で、中小企業では、年休取得もあまり進んでおらず、年休を年間5日間とることを義務付けられることに対して、どうしようかと真剣になやまれている経営者も少なからずいらっしゃるように思います。
ところで、先日の台風19号は各地で河川が氾濫し、大きな被害をもたらしました。一日も早い復興を祈ります。
次の日の朝のニュース番組では、防災コンサルタントなる職業の人がコメンテーターとして、アナウンサーから今回の台風への対応についてコメントを求められていました。その時、その人はこんなコメントをしました。
「超大型の台風がくることはあらかじめわかっていて、15号てどんなにこわいかも経験して、それでもこれだけの被害や犠牲者が出るということは、事前の備えや注意喚起がたらなかったと言わざるを得ません。」
それを聞いて、なんだこの人は?と少し腹が立ってしまいました。
今回の台風については、事前の報道はこれでもかというくらいされていたし、命を守る行動をとか、必要でない外出はひかえてくださいとか、すこしオーバーじゃないかと思うくらい注意喚起はしていたと思うのです。
事実、かなりの交通機関が早くから運休を決めていたし、お店も休業を発表したりしていました。うちの会社も休みになりました。
以前紹介した「嫌われる勇気」という本にこう書かれていました。
馬に水を飲まそうと思ってできることは、馬を水飲み場までひいていくこと。そこで、水を飲むかどうかは馬の問題だ。
そのとおりだなぁと思いました。今回のケースで言えば、国や報道は水飲み場まではちゃんとつれていってくれたと思います。だから、それを聞いて動くかどうかはもう聞いた人の問題です。
それでも、コメンテーターは事前の告知がたらなかったと言う。
ぼくは、コメンテーターの人も本音では事前の対策がそこまで足らなかったとは思っていなかったのではないかと思います。でも、そこでコメントを求められてしまった。そこで、
彼はコメンテーターとして何かを批判しないといけないと思ったのではないか?
そして、批判する相手は聞いても動かなかった人ではなく、行政であるべきだと思ったのではないか?
そうやって、ほんとうに思ってること、事実ではなく、求められる役割にそって、もっともらしい発言をする。
その発言って、なんの意味もないと思います。
考えてみれば、そのコメンテーターには腹は立ったけど、そういうことって、仕事でもよくあると思います。たとえば、会議なんかで、もっともらしい発言をいいあうことで、いろんな課題や問題があいまいなまま仕事が進んでいく。それは問題の先送りになるし、ずいぶんと効率が悪いことです。
もっともらしいことを言ったり、やったりするのをやめてみる。
それも、一つの働き方改革のような気がします。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt