お世話になった上司の方の言葉です。
現場から将来を考える
本部での企画の仕事は現場から遠いところで考えます。
現場から遠いところで考えると、現場から遠い分、空から景色をながめるように、いろんなことが見える。おおきな時の流れを感じることもできる。
だからその分、現場ではわからなかったり、気づかないことがわかり、適切な戦略や打ち手を考えることができます。
でも、その一方で、現場から遠い分、あたまでいろんなことを考えて、現実とはかけはなれたことを考えてしまうリスクもあります。
太平洋戦争で大失敗におわったインパール作戦という一大作戦があります。
日本軍本部が、ビルマから地図上では一山さえこえればインドにいくことができることに気づきます。
ところが、地図でみた山は日本の山とは大違いで、たいへんけわしく、人が荷物をのせた牛をひきながらこえることはほとんど不可能な山でした。

結果、インドについたときは食料もなく、武器も不十分で、とても戦える状態にはなく、惨敗することになります。
さすがに、日本軍大本営のようなこんな失敗はないと思いますが、いそがしい日常のなかで、現場のことを考えきれずに、現場の人たちに無駄骨になる仕事をさせたり、困らせたりすることは少なからずあるように思います。
「現場から将来を考える」という言葉は、そういうことにならないための言葉だったなと今思います。
以前、現場のリアリティがないビジネスはうまくいかないというはなしを書きました。
全体をみて、将来をみすえてかんがえたことを、現場に行って、その現場であらためて考えてみる。
そのときに、あたまで考えたことがまちがっていないか、
リアリティはあるか、みんなは喜んでくれるのか?自分にあらためて問いかけてみる。
現場にしかいないと二、三年先のことを考えてしまいますが、現場からはなれて考えた10年先を、現場から考えてながめてみたとき、みんなが夢をもってめざすことができるすぐれたビジョンはできる。実行でいろんなことがおきても、ぶれない軸ができる。
この言葉を教えてくれた方は、知的でやさしくて強い信念のある方、リーダーでした。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt