高校時代の思い出をもうひとつ。
はじめて女の子に声をかけて、すぐにふられた話です。
中高一貫の男子校だったのでらとにかく女の子と知り合ったり話す機会がありませんでした。
中学校の頃は、むしろ男だけのほうが楽しいと思って、服装にもまったく興味なし、男同士で部活したり遊んだりの毎日を満喫していたのですが、高校生になった頃から、女の子に興味がわき始めました。
その頃、
学校で友だちに、通学電車にすごくかわいい女の子がいるという話をしました。すると、その友だち、絶対声をかけろと言いだしました。
そのかわいい女の子は叡電で毎朝見かける女の子でした。
友だちは声をかけろと僕に言ってから、毎朝、出町柳駅の出口のところで僕が声をかけたかどうかチェックしに来ました。
でも、僕はそもそも女の子と4年以上話したことがないわけですから、なかなか声をかけることができません。声をかけることができないまま、1週間がたとうとしていました。
その日はどしゃ降りの雨でした。さすがにこんな日までチェックしに来ないだろうと思っていた友だちが雨の中、一人傘をさして立っていました。
これはまずい。彼は僕が声をかけるまで、雨にも負けず風にも負けず、チェックしに来る。そう思いました。
そして意を決して、そのかわいい女の子に声をかけました。
「友だちになってください」答えは「いいよ」
相手は公立の男女共学の高校だったので、男の子と友だちになるなんて特別なことではなかったと思います。
でも、男子校の僕にしてみると、それはたいへんなことで、いいよって言ってもらったときはほんとにうれしかった。
ところが、そのあと困ったことがおきます。翌朝、彼女とあうわけですが、なにを話せばいいかがわかりません。
話題を一生懸命考えました。趣味はなに?最近見てるテレビは?スターウォーズはみた?休みの日はなにしてるの?
翌朝あった時に話す話題を20個近く考えました。
そして、当日、彼女と挨拶して、いっしょに電車に乗って、出町柳駅までの約10分間。考えていた話題を切り出しました。
「趣味はなにかある?」答えは「とくに」
「最近見てるテレビは?」答えは「とくに」
そうやって、準備していた話題はあっという間に終了。
そのあと、沈黙が出町柳駅までつづきました。時間にすれば数分だったと思いますが、これがとてつもなく長く感じました。
そして翌朝、その彼女とあって、挨拶をしたら、
「ごめんなさい。無理です」
ふられてしまいました。
その後ますます女の子となにを話したらいいかわからなくなって、女の子と話すのにほんとに苦労しました。
自分は女の子と話すことができず、彼女ができないまま一生が終わるんじゃないかと真剣に思いました。
でも、さいわい心配したようにはなりませんでした。
女の子はちがうことを考えていると思いすぎて、女の子にあわせて、自分の話したいこととは別のことを話そうとしていたのが悪かったことに気づいたんです。
素直に話すようになって、楽しく会話ができるようになりました。
それって、女の子にかぎらず、
他者とのコミュニケーションの基本だなと思います。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt