キムライフ・キムライブ

もらったものは次の人に渡す。日常での気づき、過去の出会い・経験、大好きな本や音楽などからもらったものがどこかの誰かにわたり、もし役に立てればうれしいです。

会社ってなんだろう? その2 思いはモノにこめられて世代を超える

昨日の続きです。
 
創業者がいなくなって、創業者の夢に心奪われた人たちもいなくなって、ちがう理由で会社に入ってきた人たちがふえたときの会社ってなんだろう?
 
かくいう自分も、会社にはいっても風のように生きたいと言って、成り行きで会社を選んだ人でした。
 
で、そこで人生の半分以上をすごすことになったわけですが、
 
そこには、創業者や創業の頃働いていた人たちはもういなくても、その人たちがつくりあげたモノはちゃんと生きつづけていました。
 
そして、そのことに心うばわれることになりました。
 
それは例えば、クルマという製品。
 
2月の日経の私の履歴書は、楽焼の方の話でしたが、楽焼の伝統を続けるために、焼き方などの技能はいっさい教えないそうです。
 
楽焼では、楽焼を伝承するのは作品そのもの。
 

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その作品が伝統や本質を語ってくれる。そして、継ぐ者はその伝統をこえようとして、また次の世代にモノをのこす。
 
クルマという製品は何千人という人が約4年の歳月をかけて開発するモノです。そして、開発されたクルマは何千人も働く工場で、心をこめてつくられます。
 
新型車が出るとき工場のラインオフ式というセレモニーがあります。開発してきた人、つくる人、これから売る人が集まって、工場から第一号車が出荷されるのをお祝いするセレモニーです。
 

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はじめてそのセレモニーに参加して、
 
工場から一号車がゆっくり出てくるのを見たときは、車には関わった人たちの思いというか、魂がこもっている、そして、その魂が売る人を動かすんだと感じました。
 
今、思うのは、その一号車はほんとうの一号車ではないということ。ラインオフ式のモデルは何代目かのモデルです。
 
そこにこもっていると感じた魂は、その車に関わった人たちだけではなく、そのモデルの一号車をうみだした頃の人たちの魂もまた引き継いでいると思います。
 
そうやって、楽焼のお椀と同じように、創業のころの魂はうけつがれていく。
 
逆に、会社が、創業の頃からつづくお客様に提供する価値の目的が、自分のためとか、利益のためとか、いろんな目的にかわってしまったとき、うけつがれてきた魂もかわってしまう。
 
そしてそうなったとき、うけつがれたものの改善や進化がとまる。うけつがれてきた魂はほころびてしまう。
 
リーマンショックや品質問題のあと、トヨタのスローガンは「もっといいクルマをつくろうよ」でした。
 
もっといいクルマをつくることは、単にいいクルマをつくるというだけでなく、創業のころの魂や情熱を思い出すことでもあったんだと思います。
 
創業者の夢や情熱とその夢に心を奪われた人たちの思いは、ものに込められて世代を超えていく。
 
会社が世の中のために何かを成し遂げたいと思う創業者とその創業者の夢と情熱に心をうばわれて集まった人たちの集団であることは、世代をこえても変わらないと思います。
 
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt