政府の布マスク配布が話題になっています。アベノマスクと揶揄されたり、約450億円かかることが批判されたり、マスクのサイズが少し小さいと言われたり、散々の評判です。
マスクがないことは大きな問題で、マスクがなくて困っている人もいるし、マスクを買うために人が並ぶことで感染がひろがるリスクもあるし。だから、マスクを配布することはとてもいいことだし、緊急事態にとにかくできることを迅速にすることも大切なこと、何もそこまで批判されることではないと思います。なのに、
どうしてこのマスク配布はこんなに批判されることになったのか?
昔の自分の仕事を一つ思い出しました。
車の販促キャンペーンを企画、展開したときの話です。当時はまだ市場が元気な時で、よく新車の販売促進キャンペーンを大々的にやっていました。自分が考えたキャンペーンは、普及しはじめたeメールと連動させ来店を促進するとともに、
新車成約者に抽選で当時ブームとなっていた高級温泉ペア宿泊券をプレゼントするというキャンペーンでした。
これがなかなかうまくいきませんでした。その理由を思い知った出来事がありました。
ショックでした。
自分が企画した高級温泉宿泊券プレゼントは紙面の右下に500円玉くらいの大きさで告知されていました。吉本新喜劇のチケットは一枚3000円程度。高級温泉にくらべたらはるかに安い。しかも、こちらの企画はテレビで広告していたので、お客様にもある程度認知されているはずです。理屈でいえば、告知にそこまで差をつける理由はありません。むしろ、こちらの企画を大きく告知したほうが効果があるかもしれない。
どうしてなんだろう?と考えました。
人は自分で考えたことをやりたいし、アピールしたいものです。自分もできることで人が考えたことはあまりやりたくはない。温泉宿泊券プレゼントはメーカーでなくても販売店でもできることです。その販売店にとっては、僕が考えた成約プレゼントよりも、自分たちが考えた成約プレゼントをアピールしたかったんだと思いました。そして、思いました。
人にできることをやってはいけない。自分にしかできないことをしなければいけないんだ。
そして、自分にしかできないことをするために、自分の能力を磨く。それが世の中や人に役に立つ一番のやり方だと思いました。
マスクの配布は政府でなくてもできる。ソフトバンクGは1億枚のマスク配布を発表しました。マスクを入手するために日ごろからお店をチェックしたり、持っている人を探す努力をしている人もたくさんいます。
マスク配布はとてもいいことで、緊急事態で批判している場合ではない、感謝すべきことだと思います。それにくわえて、
自分にしかできないことを頑張る。一人一人が自分にしかできないことを一生懸命することが、1+1を2以上にする力の合わせ方。
そのことを思い出しました。
必ず学べることはある。
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt