働くようになってから一番読んだのはビジネス本です。仕事を事前に勉強せずにいきなりする人がいますが、僕は新しい仕事をする時、その仕事の関連する本を少なくとも数冊は読むようにしています。
学問やスポーツなら、誰でも教科書を読んだり、ノウハウ本を読んだり、誰かに教えてもらおうとするのに、なぜか仕事となるとしないのは不思議です。
読んでみると、必ず何かの気づきがあって、新しい仕事をする時のヒントや人生のヒントを学ぶことができます。今日はそんな本の中でも、気づきが多かった本です。
1. ジム・コリンズ「ビジョナリーカンパニー」シリーズ
15年以上株価が上がり続けた企業を研究して、その企業が今何をしているのかをまとめた第1巻、その企業が何をしてそうなったのかをまとめた第2巻、そんな企業が衰退する時をまとめた第3巻、不確実な時代にも躍進する企業をまとめた第4巻、どれもとても勉強になります。なかでも、第2巻、第3巻がおもしろかった。弾み車の法則や人材育成が拡大についていけなくなると衰退するなど、トヨタで働いていた自分にすごく腹落ち感がありました。
方向を定めて、改善、努力をあきらめずにし続ける。人を育てる。人の能力向上以上のスピードで成長しない。
自分が今、もっといい会社になるために何をして、何に注意しなければいけないか、自分事としてとらえることができた本です。
2. クレイトン・クリステンセン「イノベーションのジレンマ」
コンピューターのハードディスク領域で次々とイノベーションが起こり、その度にその領域のリーダー企業が変わっていった歴史を分析して、イノベーションのジレンマを指摘した本です。
偉大な企業はすべてを正しく行うがゆえに失敗する
本の事例ではありませんが、自分はソニーのテレビを思い出しました。
ソニーはトリニトロン技術で高品質なブラウン管テレビでトップブランドでした。そのソニーは液晶でレビを作ろうとはしなかった。液晶技術が生まれた時は電卓の白黒数字しか表示できませんでした。ソニーは平面ブラウン管テレビで大成功。次に何をするかはブラウン管のさらなる改善でした。液晶は表示できる能力が格段に低かったからです。液晶で勝負する企業は、白黒からカラーへ、電卓から携帯のカラー画面へ、そしてテレビへ。気がついた時には、液晶はブラウン管を駆逐してしまいました。
同じことはあらゆる業界でおこる。そう思います。最近でた「ジョブ理論」もとてもおもしろい本です。

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書トップポイント大賞第2位! ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
- 作者:クレイトン M クリステンセン,タディ ホール,カレン ディロン,デイビッド S ダンカン
- 発売日: 2017/08/01
- メディア: 単行本
3. アダムグラント「ギブアンドテイク」
ビジネスで成功した人は、何かを獲得しようとする人(TAKER)ではなく、何かを与えようとする人(GIVER)である。
成功する人はとても貪欲な人だと思いますが、実は与える人なんだという事実はとても新鮮で目うろこで、何より、なんだかうれしい気持ちになりました。
ドラッガーは最初にビジネス本を書いた人。たくさんの著作がありますが、その本も多くの示唆があり、その内容はビジネスにとどまらず、人の生き方にも通じるところがあると思います。ほとんどの本を読みました。「マネジメント」が有名ですが、「イノベーションと企業家精神」という本が好きです。
変化を探し、対応し、機会として利用する。機会には7つの機会がある。
予期せぬ成功と失敗を利用する。
ギャップを探す。
全部は書きませんが、その一つ一つが自分のまわりにも起こっていて、見逃していることが多いことに気づきます。イノベーションを考え、すすめるヒントが詰まった本です。「創造する経営者」という本もオススメです。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt