新型コロナ対策で、在宅勤務やオンライン会議でコロナ後は働き方が変わるとか、社会が変わると言われています。この危機を乗り越えれば新しい社会がやってくると希望を語る人もいます。
一昨日のトヨタの決算報告会では現地現物はどうなるのかと質問する記者の方もおられました。
たしかに、こういうことがキッカケとなって社会は変化すると思います。
たとえば、
これからは実際に集まる会議は減り、オンライン会議がメインになる。在宅勤務が当たり前になる。すると、空気とか気持ちが伝えにくいので、論理的な力が支配的になる。
そんな意見があります。
ほんとうにそうなるのか?
「アフターデジタル」という本があります。
今までITは人が実際にしていることを肩代わりするものでした。でも、これからはまずデジタルな社会があって、それを土台にして、より豊かなリアルな社会ができる。
そう書いてありました。
リアルとデジタルの順番がまったく逆なことに驚きましたが、たしかにそうだなと思いました。もうすでにそうなっているなと思う現実がたくさんあることに気づいたからです。
たとえば、プロ野球のテレビ中継と球場での観戦。
テレビができた当時、プロ野球をテレビで放映するかどうかがすごく議論になり、放映を反対する人も多かったそうです。テレビで放映してしまうともう球場に誰も来なくなるかもしれないというのが反対した人たちの理由でした。
実際に起こったことは、テレビ中継をした巨人の人気が圧倒的になり、テレビで選手を見た人たちは実際の姿を見ようと球場にかけつけました。今では、ネットにより、テレビや新聞だけだった情報発信の舞台がふえて、積極的な情報発信をしている球団の試合に多くのファンが観戦にいくようになっています。
テレビ(デジタルでバーチャル)の映像やネットの情報を日常で見ていることが土台になり、球場観戦がもっと楽しいものに変わったわけです。
たとえば、グーグルの検索と観光。
グーグルを使っていれば、グーグルは自分の好みを知って、いろいろおすすめしてくれます。知らない街にいった時なんか、グーグルで観光地やレストランを検索すれば、たくさんの人のアクセスデータをもとにいろんなところをレコメンドしてくれます。その結果、知らない街でも素敵な所に行くことが簡単にできて、楽しいリアルな時間を過ごすことができます。
さて、新型コロナで本格的にはじまった在宅勤務やオンライン会議。
そのいいところは移動時間がいらない分、どこにいる人とでも今までよりずっと簡単に会えることです。
在宅勤務やオンライン会議は、職場での勤務や会議の完全な代わりにはなりません。リアルに同じ場所で働く、議論することによって、人間関係が深まったり、人の心を動かしたり、気持ちが一つになったり、オンラインではできないことはいっぱいあります。
大事なことは、リアルがデジタルに変わるのではなく、リアル+デジタルになるのでもなく、デジタル+リアルで今まで以上のパフォーマンスをあげること。
SNSやオンラインで日頃から頻繁に、物理的な距離の制約を受けずにいろんな人が情報や意見を交換し、そのコミュニケーションを土台に、実際に職場で一緒に働く、現場に行って議論をする、そうすれば、仕事をもっと充実させることはできると思います。
コロナ後にそういう働き方ができるように、今をがんばる。
そういう今を送るか送らないかで、コロナ後の力は大きく変わるように思います。
必ず学べることはある
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt