昨日、料理の話を書いたら、昔、なじみのビストロのカウンターで食事をしていたときの会話を思い出しました。
そのビストロはベーコンやハムは自家製。あらかじめ真空調理などで仕込みがきちんとされているので、シェフはオーナー一人なのに、テキパキと料理がでてきます。その段取りの良さ、手さばきを見ているとおもしろいし、何より料理がヨーロッパにいた頃に食べていたカジュアルフレンチと似ていて、とても美味しい。
「料理がうまくなるのは字がうまくなるのと似てますね」
なぜですか?と質問すると、
「字って、みんな書くじゃないですか?でも、字がうまい人とヘタな人がいますよね。それは、字がうまい人は、毎回字を書くときに、きれいな字を書こうとしているからだと思うんですよ。基本の書き方もちゃんと調べて、習って、一回一回ていねいに書く。それを繰り返してうまくなるんですよね」
「料理も同じだと思うんですよ。食べるものをつくるんだから、みんな料理はすると思うんですよ。毎回料理するときに、おいしいものをちゃんと作ろうと思ってつくることを繰り返すかどうかが大事だと思うんです。」
なるほどなぁ〜と思いました。
そうやって考えると、当たり前に必ずやっていることって、いっぱいあります。
呼吸、睡眠、すわること、立つこと、歩くこと、話すこと、聞くこと、資料を書くこと。
その当たり前のことを、一回一回きちんとする。もっとうまくできるようにがんばる。
1.01を365乗すると37.8になります。一方、
0.99を365乗すると0.03になってしまいます。
どんなことでも、毎回+0.01の努力をするかどうか?その積み重ねで実力は大きく変わる。
でも、仮にそれがわかっていても、毎回そんな風にがんばるのは簡単ではありません。
「毎回、そんな風に料理に向き合えるんなんて、すごいですね」
そうオーナーシェフの方に言ったら、彼はこう答えました。
「自分は雇われで料理をつくってたときはそこまでうまくなろうと思ってなかったけど、独立してから、そういう気持ちがすごく強くなりましたね。」
どんなことも、
まずは自分事にすることがスタート
だなとこれまたなるほどです。
必ず学べることはある。
学んだことは次の人にわたす
Everything is beautiful, nothing hurt